Smiley face
写真・図版
会見する日銀の植田和男総裁=2025年5月1日午後4時9分、東京・日本橋の日銀本店、西岡臣撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 日本銀行は1日の金融政策決定会合で、現在の政策を維持すると決め、追加利上げを見送った。植田和男総裁はその後の会見で、トランプ米政権の関税政策を踏まえ、「各国の通商政策などの今後の展開や、その影響を受けた海外の経済、物価動向の不確実性は極めて高い」との見方を示した。

 植田氏は一方で、経済と物価の見通しの実現が近づけば引き続き利上げを進める考えを改めて示し、「内外の経済、物価情勢や、金融市場の動向などを丁寧に確認し、予断を持たずに判断していく」と述べた。

  • 【そもそも解説】これほど物価高なのに…日銀の物価目標なぜ未達成?

 日銀は、前回3月会合に続き、銀行間で短期資金をやりとりする金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を0.5%程度に据え置いた。

 植田氏が何度も強調したのが、米国の関税政策をめぐる「不確実性」だった。日銀は今回、経済成長率と物価上昇率の見通しを下方修正したが、その見通しの確度も「残念ながらこれまでほど高くない」と語った。

 ただ、見通しが下方修正されたとしても、「深刻な労働者不足」などで賃金と物価が上昇する好循環は続く、とも指摘。物価上昇率が2%に到達するという見通しは維持しており、利上げを続ける姿勢は崩さなかった。

 今後の利上げの時期については、「見通しの確度がやや低い中で、関税の見通しの変更を迫られるケースもかなりの確率ある」とし、「そういうことがどういう風に起こるか次第で大きく前後する」と話した。

共有